海洋ごみ問題について知ろう!大量のプラスチックごみから豊かな海を守るには?

海洋ごみ問題とは

多くの生き物が生息する、美しい地球の海。しかし近年、大量のプラスチックごみが海へと流れ出ていることが問題となっています。海に溢れるごみは景観を損なうのみならず、自然や生態系を脅かす危険性があるのです。

では、どのような原因で海にごみが溢れ、どうすれば海洋ごみ問題を解決できるのでしょうか?今回の記事ではそんな海洋ごみの問題について解説していきます。

いま、海洋ごみが大きな問題になっています

近年話題に上がる持続可能な開発目標「SDGs」ですが、その14番目の項目には「海の豊かさを守ろう」と謳われています。

そしてこの「海の豊かさ」を脅かすものとして、海に溢れかえるほどのごみが問題視されています。

海洋ごみのうち大きな割合を占めるプラスチック

海洋ごみの中でも、注目すべきはプラスチックごみです。プラスチックはその便利さから、今や私たちの生活にとって必要不可欠な素材となっています。しかしたくさん利用されている分廃棄されるプラスチックの量も膨大となり、屋外に放置されたりポイ捨てされたりしたプラスチックごみが海へ流出していることが問題視されています。2019年度の環境省による海洋ごみ調査では、海洋ごみのうちプラスチック類の割合が多い結果となっています。

また近年は「マイクロプラスチック」による海洋生態系への影響も懸念されています。マイクロプラスチックとは、5mm以下の微細なプラスチック類で、その小ささゆえに生物が体に取り込んでしまう可能性が高くなるのです。

海洋プラスチックごみが及ぼす影響

では、海洋プラスチックごみは具体的にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

まず、海の生き物への影響が挙げられます。海に流れ出たプラスチックごみが体に絡まったり、水流の中で砕けて細分化されたプラスチックが誤って食べられたりすると、海洋生物の命が脅かされてしまうのです。

海の生物が影響を被ることで、漁業や養殖業にとっても大きな損失となります。さらに海洋生物がマイクロプラスチックを取り込むと、生態系やそれを食べた人体への悪影響も予想されます。

加えて、大量のごみによって景観が損なわれれば、観光業にとっても大きな打撃となるでしょう。

このように、海洋プラスチックごみは幅広い範囲にネガティブな影響を及ぼすと考えられています。

海洋ごみ問題の対策としてできること

海洋ごみの対策

プラスチックごみに意識を向ける

海洋ごみ問題を考える上では、まずプラスチックごみについてアプローチすることが直接的に有効です。ポイ捨てなど不適切な処分をしないのはもちろんのこと、さらに関心のある方は海の清掃活動ボランティア等に参加するのも海洋環境保全のための活動になるでしょう。

さらにプラスチックごみへ意識を向ける際にポイントとなるのが3Rです。3Rとは、次の3つの単語の頭文字を取ったものです。

・リデュース(Reduce):製品を作る時の資源の量や廃棄物の量を減らす

・リユース(Reuse):使用した製品やその一部を繰り返し使う

・リサイクル(Recycle):廃棄物などを原材料やエネルギー源として再び有効活用する

特に家庭でのプラスチック製品について具体的に考えてみると、使い捨て製品の使用を控えてごみを出さない、マイボトルなど繰り返し利用できる製品を選ぶ、原料として再活用できるように適切に分別する、などが挙げられます。

特に3番目の「リサイクル」は、プラスチックを循環可能な資源として利用していくために重要な行動です。家庭においては、ペットボトルや食品容器などのプラスチックをしっかりと分別することでリサイクルに協力できます。

環境に配慮された製品を選ぶ

プラスチックごみが問題となっている一方で、プラスチックは現在の私たちの生活にとって必要不可欠な素材でもあります。そこで重要な役割を果たすのが、環境に配慮されたプラスチック製品です。

例えば、石油からできた多くのプラスチックは、どれだけ粉砕されても自然界の中で分解されることがなく、プラスチックとして残ってしまいます。しかし「生分解性プラスチック」は微生物などの働きによって最終的に水と二酸化炭素にまで分解可能なため、海洋ごみの問題を解決に導く素材です。

さらに海洋ごみの問題の根本的解決には、プラスチックを一度使ったら捨ててしまう物としてではなく、循環可能な資源として用いる生活へとシフトする必要があります。そこで注目すべきは、リサイクルを経てできたプラスチック製品です。例えば廃棄物を原料とするマテリアルリサイクルや、廃棄物を化学分解し再度原料として使用するケミカルリサイクルなどがあります。このような過程を経てできたプラスチックによる製品を意識して選択することは、プラスチックの循環利用に繋がります。

資源の循環の中で生まれた繊維「ECOPET」

帝人フロンティアでは、環境に配慮した素材の開発に注力しています。その一つがリサイクルポリエステルの「ECOPET」です。

使用済みペットボトルはマテリアルリサイクル工程を経て、従来廃棄されていたポリエステル繊維くずや衣料品はケミカルリサイクル工程を経て、リサイクルポリエステル「ECOPET」に生まれ変わります。環境に配慮した商品であるというのみならず質感や機能性を併せ持たせることも可能なため、さまざまな企業の製品で採用されています。

現代はアパレル製品が多種多様に存在する時代です。そんな現代においては、「環境に配慮されているかどうか」という観点は、製品の付加価値として消費者が注目するポイントのひとつにもなっています。

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