サステナブルファッションに注目! 取り組み事例を詳しくご紹介
近年、地球環境への意識の高まりから、サステナブルファッションへの注目が集まっています。本記事では、サステナブルファッションの取り組み事例を詳しく紹介しています。企業や個人によるさまざまな取り組みを見ることで、サステナブルファッションをより深く理解してみましょう。
サステナブルファッションとは?
そもそもサステナブルファッションとはどのようなファッションを指すのでしょうか。サステナブルファッションの概要や近年注目される背景についてご紹介します。
ファッションの現状
従来のファッション産業は世界第2位の環境汚染産業ともいわれています。衣料品の生産には大量の水、エネルギー、化学物質が使われ、廃棄によって大量のゴミと二酸化炭素が排出されるためです。
例えば、洋服1着を製造するにも次のような環境影響が含まれています。
● 約25.5kgの二酸化炭素排出
● 約2,300リットルの水消費
環境や社会に配慮したファッション
サステナブル(Sustainable)とは「持続可能な」という意味の言葉です。従来のファッション産業は原料から洋服を作って廃棄するだけの、持続不可能な産業といえるでしょう。
この状況を変えていくために、環境や社会に優しい持続可能なファッションへの取り組みが、サステナブルファッションとして注目を集めています。
サステナブルファッションのメリット
サステナブルファッションに取り組むことで、次のようなメリットがあります。
● 環境負荷の低減
● 資源の有効活用
● 未来にわたって持続可能な社会の実現
現在、我々は大量消費社会から循環型社会への過渡期を迎えています。サステナブルファッションはより良い社会へ移行するために不可欠な取り組みといえるでしょう。
サステナブルファッションの取り組み(企業)
それでは具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。まずは企業が推進しているサステナブルファッションを見ていきましょう
再生素材の利用
本来廃棄されるはずであったプラスチックを回収し、再生して新たな繊維にする技術があります。通常、合成繊維の生産には石油資源を消費しますが、廃棄物を原料としたリサイクル繊維は省資源化に貢献します。
最近では、リサイクル繊維を積極的に製品に採用する取り組みが広がっています。
水と化学物質を消費しない染色技術
サステナブルファッションの取り組みの中では、洋服製造時の水消費を減らすことも大切です。
例えば、水の代わりにリサイクル可能な二酸化炭素の超臨界流体を利用して染色する技術があります。もともと染色工程は大量の水を消費し、多くの汚水が排出されるため環境負荷が高い工程とされていました。
二酸化炭素の超臨界流体を使った染色技術は、従来と比較して水消費量と汚水の排出を大きく減らし、エネルギー消費も大幅に抑えています。
古着から新しい洋服を作り出す
洋服の生産時に環境負荷を下げる方策だけではなく、使用済の洋服を再利用してゴミを減らすことも大切です。
回収した古着を化学分解処理により再生原料として活用する技術(ケミカルリサイクル)があります。従来のマテリアルリサイクルと比較して、何度でもリサイクル可能な点が特長です。今後の展開に注目が集まっています。
サステナブルファッションの取り組み(個人)
サステナブルファッションの取り組みは企業だけに限った話ではありません。私たち一人ひとりが意識できることも多くあります。具体的な取り組み事例をご紹介しましょう。
一着の洋服を長く使う
上記でご紹介したように1着の洋服を作るためには、大量の資源が使用されます。しかし、洋服を長く使えば、その分だけ使う資源を減らすことにつながります。また洋服を丁寧に着るだけでなく、傷んでも捨てずにリペアすることも大切です。
古着の再利用でファッションを楽しむ
古着をリユースすることで、廃棄される洋服の量を減らすことができます。流行に左右されないデザインや、意外とレトロなおしゃれ古着など掘り出し物も多いはず。古着屋やフリーマーケットなどを活用して、あなただけのファッションを確立してみましょう。
リサイクルに積極的に取り組む
1着の洋服を長く使ったり、リユースしたりとサステナブルファッションに取り組む中で、どうしても廃棄しなければならない場面があるかと思います。
着なくなった洋服はゴミとして処分するのではなく、リサイクルにつなげましょう。洋服を適切にリサイクルするには、燃えるゴミではなく地域の資源回収を利用したり、小売店の回収ボックスを使用したりする方法があります。
意外と身近に回収ボックスが設置されているので、ぜひ探してみましょう。
まとめ
サステナブルファッションとは環境や社会に配慮したファッションのこと。古着の回収・リサイクル、再生素材の利用、新たな染色技術の開発など、さまざまな取り組みが行われています。
また、企業だけではなく個人でもできることは多いはず。この機会に少し地球環境に優しいファッションへの取り組みを始めてはいかがでしょうか。