エシカルとサステナブルの違いとは? SDGsにもつながる2つのキーワードをわかりやすく解説

ヤギにエサをあげる兄妹

環境問題や社会貢献への関心が高まる中、「エシカル」「サステナブル」といったワードを目にする機会が増えた人も多いのではないでしょうか。どちらも「環境や人に配慮すること」といったイメージがある一方で、具体的に何が違うのか?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。そこでこの記事では、エシカルとサステナブルの定義を確認した上で、具体的な違いやSDGsとの関連性を解説します。
これらのキーワードの意味を正しく理解すれば、適切な行動につなげる足掛かりになるはずです。

エシカルとサステナブルの違い

エシカルとサステナブルはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの定義からみていきましょう。

エシカルの定義

エシカルという言葉はethics(倫理、道徳)に由来しており、「倫理的・道徳的な配慮に基づいた行動や選択」を意味します。特に、生産工程や個人の活動における、人や動物、地球環境への思いやりに焦点を当てています。例えば、「人権・労働環境への配慮」「動物福祉への配慮」「地球環境への貢献」などがエシカルな取り組みといえるでしょう。

サステナブルの定義

サステナブル(Sustainable)とは、「持続可能な」という意味を持つ言葉です。環境、社会、経済のいずれもが、将来に渡って持続的に続けられることを目指す概念といえます。サステナブルは、1987年に『Our Common Future(邦題:我ら共有の未来,通称:ブルントラント報告書)』の中で提唱されたことにより、国際的な共通認識として広く知られるようになりました。

サステナブルはエシカルよりも広い定義

エシカルは人や動物、環境に対して倫理的、道徳的な選択を支持していますが、サステナブルは環境、社会、経済といったより広範な視点から持続可能性を考える概念です。サステナブルとエシカルは非常に密接に関連していますが、定義の範囲が異なるため、分けて認識しておくことが必要です。

エシカル、サステナブルとSDGsの関係

エシカルとサステナブル、そしてSDGsは似たようなことを指す言葉ですが、それぞれの関係について解説していきます。

SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。SDGsは17のゴール(目標)から構成され、環境面では枯渇資源の節約や廃棄物の削減、生態系の保護、社会面では貧困の撲滅や教育の普及、人権の尊重、経済面では公正な取引、地域活性化などの観点があげられます。

エシカルに関連するSDGsの目標

上記で説明したように、エシカルな視点には「人権・労働環境への配慮」「動物福祉への配慮」「地球環境への貢献」などがあるため、SDGsで掲げられている目標の中にもエシカルに関連する考え方が含まれています。

今日からできるエシカル/サステナブルな取り組み

エシカル/サステナブルな取り組みをすぐに始めるために、誰にでもできる簡単な例をご紹介しましょう。

背景を考えて商品を選ぶ

商品を選ぶ時、価格だけを見ていたのではエシカル/サステナブルな視点があるとは言えません。なぜなら、低価格の背景には、人や動物への配慮に欠けた行為や、大きな環境負荷などが隠れている可能性があるからです。商品がどのような工程を経て作られるのかといった、背景を知った上で選ぶことが求められています。商品の選択に必要な情報は、認証ラベルや企業のブランドサイト、生産ストーリーといった形で提示されている場合が多いでしょう。これらの情報を総合的に判断した上で、商品を選んでみましょう。

商品の無駄使いを減らす

新しいものの購入だけではなく、無駄を減らすことも非常に重要な取り組みです。例えば、使い捨て製品を避けてマイバッグ、マイボトルを持ち歩いたり、日常の中で節電・節水を心がけたりするといった行動が挙げられます。一つひとつは小さな取り組みですが、多くの人が実践すれば大きな効果を生み出します。

長く、大切に商品を使う

一度手に入れたものを、なるべく長く使えるような工夫も大切です。安価な使い捨ての商品ではなく、多少高価でも耐久性があり、長く愛用できる品質の良い商品を選ぶと、結果的にコストを抑えられる場合もあります。また、軽いほつれやボタンが取れたなどの少しの破損であれば、すぐに捨てずに修理して使っていくことも大切な取り組みの一つです。

エシカルでサステナブルな取り組みは、一人ひとりの意識と行動が大切

この記事では、環境や人への配慮を意味する2つのキーワード「エシカル」「サステナブル」について、その意味や違いを詳しく解説しました。エシカルが倫理的な視点から、「地球環境」「人」「動物」への配慮を重視する一方、サステナブルは「地球環境」「社会」「経済」の側面から持続性を追求する考え方です。いずれも目標とする方向性は同様であり、その目標に向けて私たち一人ひとりも、環境や人に配慮した行動を積み重ねていく必要があるのです。

ALL