SDGs時代の新常識! エシカルな企業の取り組みと具体的なアクション

最近、「SDGs」や「エシカル」という言葉を耳にしませんか?消費者は日々たくさんの商品やサービスに触れています。その際、表面的な価格や機能だけでなく、企業の倫理的な姿勢や環境への配慮にまで関心を持つ人も増えています。これからの時代、企業には利益を追求するだけでなく、社会や環境に配慮した「エシカルな取り組み」が求められています。
持続可能な社会を目指すための企業の新しい常識と、そのための具体的なアクションについて見ていきましょう。
エシカルとは
エシカルの定義と消費者の認知度について、詳しく解説します。
エシカル、エシカル消費の定義
エシカルとは、ethics(倫理、道徳)に由来する言葉であり、「倫理的・道徳的な配慮に基づいた行動や選択」を意味します。
特に製品の生産工程や個人の活動における、人や動物、地球環境への配慮に焦点を当てた行動を指します。また、エシカル消費とは人や環境への配慮に基づいた消費行動と言い換えられます。
単に値段や機能だけで選ぶのではなく、その製品が誰によって、どのような方法で作られたのか、環境に悪影響を与えていないかといった背景にも目を向けることが大切です。
消費者のエシカル消費の認知度
「エシカル消費」の認知度は年代別で見ると、特に10代と40代が高く、幅広い層に認知が広がっています(2024年のデータ)。また、エシカル消費を実践する理由としては、「同じようなものを購入するのであれば、環境や社会に優しい製品が良い」が最も多い割合を示していました。
商品を選ぶ際、価格や機能だけではなく「環境」や「社会」といった視点も重要になってきています。
SDGsの普及とエシカル消費の認知拡大
2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、現在では幅広く認知されています。エシカル消費もSDGsの目標を達成する上で重要な試みの一つです。SDGsやエシカル消費は、近年、学校教育でも積極的に取り上げられており、教科書を通じて若年層にも広く浸透しています。
エシカルな取り組みが企業にもたらすメリット
エシカル消費は消費者に広く認知されているため、企業においても積極的にエシカルな取り組みを行うことでいくつかのメリットが得られるはずです。以下では3つのメリットをピックアップして説明します。
企業活動の持続性向上
企業活動はともすれば短期的な利益を求めてしまいがちですが、行き過ぎた短期利益の追求は、人権や地球環境や労働環境などに負担をかける要因となることがあります。
長期的に企業が存続し続けるためには、持続可能性を意識し、人権や労働環境、動物、地球環境などに配慮したエシカルな活動に取り組むことも一つの方法といえます。
消費者ニーズへの対応
現代の消費者は、安価で良い商品やサービスだけではなく、企業がどのような価値観を持っているかも重視しています。環境問題や社会課題への関心が高まる中、エシカルな商品を選ぶことで、社会貢献の一端を担いたいと考える人が増えているのです。
企業においても、これらの消費者ニーズに積極的に対応する姿勢が求められています。
従業員からの信頼性獲得
消費者だけでなく、従業員からの信頼性を高める上でもエシカルな考え方は大切です。社会や環境に配慮した企業で働くことは、従業員のモチベーションやエンゲージメントを向上させます。また、企業にとっての長期的な視点で考えれば、優秀な人材の獲得、離職率の低下などにもつながります。
従業員も含めて企業全体でエシカルな視点を意識的に取り入れる、いわゆるエシカルコンシャスが広まれば、企業の未来は明るくなるはずです。
企業が取り組むエシカルなアクション
それでは、企業は具体的にどのようなアクションを取っていくのが良いのでしょうか。エシカルなアクションの具体例をみていきましょう。
フェアトレードの導入
エシカルな企業が取り組む具体的なアクションの一つに、「フェアトレードの導入」があります。フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」のことです。
一般的な市場取引では、低賃金で働かされている労働者が搾取され、貧困から抜け出せないという問題が起こりがちです。労働者の適正な収入を確保することは、生活支援だけでなく、持続可能な関係づくりと労働者の自立にもつながります。
リサイクル素材の活用
環境への配慮を示す上で、「リサイクル素材の活用」は代表的な取り組みの一つです。例えば、リサイクルポリエステルやリサイクルナイロン、再生紙といった素材を積極的に採用する企業が増えています。リサイクル素材を活用すれば、新しい原料から作られた素材に比べて天然資源の消費量を抑えられるため、環境負荷低減に大きく貢献します。
ちなみに帝人フロンティアの「エコペット」も、マテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルを用いて生まれ変わらせた原料を使用したリサイクルポリエステル繊維です。
地域雇用の創出
企業が持続する上で地域社会への還元も重要なアクションの一つです。「地域雇用の創出」は特定の地域に生産拠点や事業所を設け、そこに住む人々を積極的に雇用することで、地域の経済を活性化させる活動です。
地域雇用を創出すれば、従業員に安定した生活基盤を提供するだけに留まらず、地域社会にもポジティブな影響を与えていくことができます。
エシカルを取り入れた企業経営で持続的な成長を
この記事では、エシカル消費の定義や、エシカルな取り組みが企業に求められる理由と具体的な取り組み事例をご紹介しました。エシカルな企業活動は一朝一夕にできるものではありませんが、小さな一歩から始めることができます。
消費者と企業が共にエシカルな選択をすることで、より良い社会の実現に貢献できるはずです。ぜひ、持続可能な未来のために、あなたもエシカルな取り組みについて考えてみてください。