プラスチックごみを削減する取り組みとは?個人ができることを解説

プラスチックごみ削減 対策

プラスチックごみ問題は、私たちの暮らしに大きく影響する環境問題です。一般的にプラスチックは非常に便利な素材である半面、環境に負荷を与えている一面もあります。しかし、プラスチックごみを削減するメリットは日常生活において見えにくく、取り組みを始めるのが億劫という方も多いでしょう。

そこで、この記事ではプラスチックごみを削減するメリットや世界・日本の取り組み、個人でできる取り組みを解説します。

プラスチックごみを削減するメリット

プラスチックごみを削減するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、プラスチックごみを削減するメリットを解説します。

温室効果ガスの削減につながる

通常、石油由来であるプラスチック1kgを生産または廃棄する際には、二酸化炭素が5kg程度排出されます。※1

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、2019年の年間プラスチックごみ生産量は4億6,000万トン、廃棄量は3億5300万トンでした。※2この数字からもわかるように、毎年世界中で、プラスチックの生産や廃棄にかかるだけでも、膨大な量の温室効果ガスが排出されています。

そのため、プラスチックごみを削減できれば温室効果ガスの大幅な削減が期待できることから、地球温暖化対策になるのです。

「典型7公害」の改善に貢献

プラスチックの削減は、公害対策基本法や環境基本法で「典型7公害」として定義されている「大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下及び悪臭」の一部に貢献できます。

従来のプラスチックの生産や廃棄による大気汚染や、プラスチックごみのポイ捨てによる水質汚濁・土壌汚染は深刻化しています。特に海洋マイクロプラスチックは国際問題になっており、ゆくゆくは人体への健康被害につながるという懸念もされています。

【世界・日本】プラスチックごみを削減する取り組み

プラスチックごみの削減に対する、世界・日本の取り組みを紹介します。

世界各国の取り組み

2018年時点で、世界127カ国がレジ袋の法規制を実施し、83カ国は無料配布を禁止しています。※3

特に、プラスチックごみの削減に注力している各国の取り組みを以下にまとめました。※4
・ 台湾:2020年に無料のプラスチック製ショッピングバッグ・使い捨て容器・使い捨て器具などを小売店で提供することを禁止
・ EU:2021年までに使い捨てプラスチック製品の流通を禁止予定。2030年までにすべてのプラ容器包装をリユース・リサイクル可能とする目標を立てている

日本行政の取り組み

世界各国ではプラスチックごみ削減の動きは活発化していますが、日本はどのような取り組みを推進しているのでしょうか。以下に主な取り組みをまとめました。

・「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」の策定と実施 ※5
 廃棄物処理制度による回収、ポイ捨て・流出防止、散乱・漂着ごみの回収、イノベーションによる代替素材への転換、途上国支援など
・化石燃料由来プラスチックの代替素材の開発支援
 再生可能資源である紙、バイオマスプラスチック等のプラスチック代替品の開発や転換※6
・2022年に「プラスチック資源循環促進法」を施行 ※7
 プラスチックのライフサイクルにかかわるすべての事業者・自治体を対象とした、資源循環の取り組みを促進するための法律

【個人向け】プラスチックごみを削減する取り組み

日本を含めた各国の行政機関がプラスチックごみの削減に取り組んでいます。私たち個人にできる取り組みはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、一人ひとりにできるプラスチックごみ削減のための取り組みを紹介します。

外出時に「マイ〇〇」を持ち歩く

外出時に飲食や買い物をすると、使い捨てプラスチックを使ったストローやスプーン、フォーク、包装などがついてきます。そこで、使い捨てプラスチックを使用しないで済むように「マイボトル」や「マイバッグ」、「マイ箸」を持ち歩くようにしましょう。

使い捨てプラスチックをできる限り使用しないことは、日本が推進している3RのReduce(リデュース)にも当てはまります。

プラスチック代替商品や環境を考えたプラスチック製品を選ぶ

食品の保存には、ラップではなく繰り返し使えるフタ付きの容器を使いましょう。

また、リサイクル原料の物を積極的に選ぶようにすることもおすすめです。例えば、再生プラスチックを使用したペットボトルやリサイクルポリエステル繊維「エコペット」などがあります。

プラスチック製品を使ったら、リサイクルする

プラスチック製品を使い終わったら捨てるのではなく、積極的に居住する自治体、地域のルールに則って分別、資源回収にだしましょう。正しく資源回収されれば、その後適切にリサイクルしてもらえます。

スーパーマーケットなどの小売店では食品トレーやペットボトル、レジ袋などのリサイクルボックスが設置されています。

ごみのポイ捨てや不法投棄はしない

プラスチックごみは素材の性質上、分解されないため自然環境に残り続ける素材です。そのため、プラスチックごみのポイ捨てや不法投棄は、長期間にわたり水質汚濁・土壌汚染といった自然環境に悪影響を与えてしまいます。

また、ポイ捨てや不法投棄により、動物が誤食してしまう可能性があります。生態系にも影響を与えるため、ポイ捨てや不法投棄はしないようにしましょう。

まとめ

世界中で、プラスチックごみ削減の動きが活発化しています。特にEUでは取り組みが推進されています。
一方、日本でもプラスチックごみの削減が掲げられていますが、プラスチックごみ問題を解決するには継続することが重要です。一人ひとりがプラスチックごみの削減に向けた取り組みを実施することで、少しずつ問題の改善につながるでしょう。まずは、生活の中でできることからプラスチックごみ削減を始めてみませんか。


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