アパレル業界がSDGsで目指す持続可能なファッションとは
大量生産・大量消費の時代から、環境に配慮した持続可能なファッションへ……。アパレル業界はSDGsの目標達成に向け、様々な取り組みを進めています。この記事ではアパレル業界がSDGsに取り組む理由と、具体的な事例をご紹介します。
アパレル業界がSDGsに取り組む理由
昨今アパレル業界では、多くの企業がSDGsに取り組んでいます。なぜそのような取り組みが進んでいるのか、解説します。
環境負荷低減への貢献
アパレル業界はエネルギーや水の大量使用 により、環境負荷が高いと指摘される産業です。 その背景には、ファストファッションの台頭による大量生産・大量消費があるといわれています。「サステナブルファッション」への関心が高まっていることから、 アパレル業界でも環境にやさしい取り組みを推進するようになりました。
SDGsの中の「12. つくる責任、つかう責任」「13. 気候変動に具体的な対策を」などがあたります。
労働環境改善への貢献
ファストファッションを実現するためには 、アパレル業界に関わる労働者の賃金を低く抑える必要がありました。しかし今でも、低賃金や劣悪な労働環境で仕事をしている人も多いのです。こうした労働者を減らしていくことも、我々が持続的に繁栄するために必要な行動といえるでしょう。
SDGsでいえば、「12. つくる責任、つかう責任」などが該当します。
資源枯渇への対策
世界人口と一人あたりの消費量が増加している中で、使用する資源の枯渇が問題視されています。アパレル業界で主に使われる素材のうち、合成繊維素材は石油資源が原料。何もしなければ、近い将来に資源枯渇のリスクに直面することでしょう。そのため資源枯渇への対策を行い、持続的な循環型産業を確立する必要があります。
SDGsでいえば、「12. つくる責任、つかう責任」などが該当します。
アパレル業界のSDGs具体例
具体的にアパレル業界 ではどのような取り組みが実施されているのでしょうか。いくつかの取り組み例をご紹介しましょう。
資源回収 の取り組み
「繊維」は私たちの日常にはなくてはならない存在です。天然繊維は天然資源、化学繊維は石油資源を使うため、ともに人口の増加にともなう資源の枯渇のリスクがあります。
そのような中、再生ポリエステルなどのリサイクル繊維が注目されるようになりました。再生ポリエステルは不要になったプラスチックなどを原料とする繊維です。店頭や地域では資源回収をおこなう取り組みがあります。
環境にやさしいリサイクル素材を積極的に採用すること、一般生活者は、そのような製品を選択することも大事です。
自然環境保護への取り組み
企業の生産活動は、自然環境が健全であるからこそ実現できていると考える人も多くいます。そのため、企業活動で得られた売上・利益を自然環境保護に使用する取り組みが存在します。
例えば、売上の一部を環境保護団体に寄付したり、自然保護区の保全・回復に使用したりといった事例です。私たちがこれからも天然資源を活用し、自然と共存していくためには、 自然環境への還元が重要といえます。
エネルギー消費量の削減
企業の生産活動においては多くのエネルギー を消費します。そのため、エネルギー消費量を減らす取り組みをする企業があります。例えば、電力消費量を10%以上削減するなどの目標を決めたり、使用する電力を再生可能エネルギーに限定したりするなどです。
困難な状況の人々への支援
SDGsにおいては「誰一人取り残さない」ことも重要です。世界中には弱い立場におかれた人々が多く存在します。そのような人々を保護していくことも必要でしょう。
アパレル業界では難民支援をはじめ、災害支援、女性・子ども支援に関しても幅広い取り組みが行われています。主な取り組みは、NPO法人へ寄付、必要な洋服の配布、職業訓練などです。
まとめ
サステナブルファッションは企業と一般生活者 がお互いに積極的に取り組むことで、実現できます。一般生活者として、長く着られる洋服を選ぶ、古着を購入する、不要な洋服を売る・寄付するなど、できることはたくさんあるはず。
環境問題への意識を高め、持続可能なファッションを選択することで、よりよい未来を築いていきましょう。