企業のカーボンニュートラル実現に向けた取り組み例をピックアップ!

カーボンニュートラル 例

地球温暖化が進行する中、カーボンニュートラルの実現が急務になっています。でも具体的にどのような取り組みをすればよいのか分からない人も多いはず……。
そこでこの記事では、多くの企業が着手し始めているカーボンニュートラルの取り組み例の一部を解説します。

カーボンニュートラルが求められる背景

そもそもなぜ今カーボンニュートラルが求められているのでしょうか。簡単に整理してみました。

地球温暖化の影響が顕在化

私たちは日常の中で多くの温室効果ガスを排出しながら生活しています。しかし、温室効果ガスの増加は地球温暖化を引き起こし、現時点を超える追加的な緩和策をとらずに進むと、今世紀末(2081年~2100年の平均)には世界平均気温が20世紀末(1986~2005年の平均)と比べて最大4.8℃上昇すると想定されています※1。

さらに地球温暖化は、豪雨災害の激甚化、海面上昇による陸地の減少や感染症の増加※2、農作物への影響など多くの環境問題の原因に……。現時点でも、日本の年平均気温が過去100年間ですでに1℃以上上昇しており、その対策が緊急の課題になっています。

カーボンニュートラルは地球温暖化対策の一つ

地球温暖化の対策として、温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」が注目されています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指します。実現するためには、温室効果ガスの排出量削減ならびに吸収作用の保全・強化が必要です。

日本では2020年に「2050年カーボンニュートラル宣言※」を行い、国を上げてカーボンニュートラルに取り組んでいくことを決めました。

カーボンニュートラルに貢献する企業の取り組み【4つの例】

カーボンニュートラルに貢献する活動として、主に温室効果ガスの排出量を抑制する取り組みが重要になっています。具体的な取り組みについて、4つピックアップしてみました。

エネルギー利用の効率化

わたしたちは日々の企業活動を継続するために、多くのエネルギーを利用しています。そのため、まずは使用しているエネルギーを効率的に利用することが重要です。無駄なエネルギーを使用している工程を洗い出したり、同じエネルギー量で生産効率を上げたりする方法があります。

低炭素原料の利用

企業の活動で使用する材料や原料を低炭素なものに変えることもカーボンニュートラル実現への第一歩です。
例えば、繊維分野であれば、植物由来原料や再生原料を用いたポリエステル繊維などがあります。植物由来原料は大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えないといわれており、また、再生原料は新たな石油資源を原料として使用しないため二酸化炭素削減に貢献します。

再生原料を用いたポリエステル繊維については下記よりご覧ください。

再生可能エネルギーの導入

エネルギーを効率的に利用するだけでは、カーボンニュートラルの実現には限度があります。例えば、石炭や石油を燃やす火力発電によって作られた電力を使用していた場合、どんなに効率的に利用しても温室効果ガスの排出量をゼロにすることはできません。
そこで発電時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの導入が必要になります。再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどのこと※。屋根に太陽光発電、敷地内に風力発電を導入するなど、企業自身で再生可能エネルギーを作り出す取り組みが進んでいます。

温室効果ガス排出量の可視化

カーボンニュートラルに貢献できる取り組みを推進するためには、実は効果の測定も重要なポイントです。現在どれだけの温室効果ガスを排出し、それがどの程度削減されたのかを可視化する取り組みをしている企業もあります。
排出量を可視化するための第一歩として、環境省が温室効果ガス排出量の算定方法をマニュアル化していますので参考にしてみてください。複雑な計算を行う必要があるため、可視化の取り組み推進には種々の算定ツールを導入するのが早いかもしれません。なお、業界や対象製品を明確化して精度の良い可視化をするために、算定ツールを独自開発している企業も多く見られます。

まとめ

地球温暖化の抑制につながるカーボンニュートラル実現に向けて、多くの企業が取り組みを進めています。
エネルギー利用の効率化、低炭素原料の利用、再生可能エネルギーの導入など、複数の観点から取り組んでいくことが重要です。この記事を参考に、まずは今できる取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

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