リユースとは?メリットや取り組み事例を簡単に解説

リユースイメージ

地球環境に大きな負荷がかかっている中、持続可能な社会の実現は私たちにとって重要な課題の一つです。限りある資源を有効活用する「リユース」は、3Rの中の一つであり、廃棄物を減らすための重要な取り組みです。
この記事では、リユースの基本的な考え方やリサイクルとの違い、メリット、取り組み事例についてわかりやすく解説します。

リユースとは?

3Rの一つである「リユース」とはどのような取り組みなのでしょうか。主な定義や他の活動との違いについて解説します。

形を変えずに製品を再使用すること

リユース(Reuse)とは、一度使用した製品や部品の形を変えずに、もう一度使用する取り組みのことを指します。いわゆる3Rの中の一つで、リデュース(Reduce)に次いで重要な取り組みといわれています。不要になった製品を安易に廃棄するのではなく、もう一度使えないかと考えてみることがリユースの取り組みを始める第一歩です。

リサイクルとの違い

リサイクルもリユースと同じく3Rの取り組みの一つで、廃棄される製品を資源として再生利用することです。リユースが製品の形を変えずに再利用するのに対して、リサイクルは一度原料の形に戻す工程が含まれます。余分な工程が含まれないため、リサイクルよりもリユースの方が環境負荷の少ない取り組みです。リユースできずにどうしても出てしまう廃棄物に関して、「リサイクル」をすることで資源を有効的に再利用できます。


3R、3R+Renewableについては以下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

リユースのメリット

リユースの取り組みを行っていくメリットについて整理してみました。主に以下の3つのメリットがあります。

地球温暖化の抑制

地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量抑制は、世界全体で取り組んでいくべき課題です。リユースに積極的に取り組んでいくことで、廃棄物を処分するのに必要なエネルギー量を抑制できます。使用エネルギー量の減少は、排出される二酸化炭素の量を減らすことにつながります。

枯渇性資源の消費抑制

地球上にある石油資源や金属資源には限りがあり、なるべく効率的に利用していくことが重要です。リユースの活用によって、本来廃棄されていたものから有用なものを回収・洗浄後に販売できるため、使用する資源の量を減らせます。
限りある資源をなるべく長く、未来の人たちまで使えるようにするためにもリユースの取り組みが大切です。

お財布への貢献

一般的にリユースされた製品は、新品と比べて安価に購入できる場合が多いです。同じような機能の製品を手に入れているにも関わらず、お財布から出ていくお金を減らすことになります。使わなかったお金は貯金しておいたり、旅行や趣味など別の体験に使ったりすることができますよ。

リユースの取り組み例

リユースの第一歩を踏み出すためにも、企業、個人の観点からどのような取り組み方があるのか確認してみましょう。

リユースしやすい製品設計

企業が行うリユースの取り組みとして「リユースしやすい製品設計」が上げられます。具体的には、壊れにくいような耐久性を持った設計にしたり、流行に左右されない形状や設計にしたりするなどの方法です。
製品の長期間使用を念頭においた製品設計は企業にしかできないこと。改めて製品設計や製品のライフサイクルを見直してみるのも、リユースにつながる取り組みの一つといえるかもしれません。

環境配慮設計について知りたい方は下記の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

リターナブル容器の製品を選ぶ

消費者が行うリユースの取り組みの一つとして、リターナブル容器の活用があります。リターナブル容器とは中身を消費した後に回収・洗浄して再利用できる容器のこと。例えば、ビールや牛乳の入ったビンなどがリターナブル容器に該当します。
使い終わったリターナブル容器をリユース回収に出すことで、新しい製品として再使用できます。プラスチックや金属製の容器が多い状況ですが、リターナブル容器に再注目し、積極的に選ぶ取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

リユースショップの利用

使い終わった製品を簡単に廃棄してしまうのではなく、リユースショップに持ち込むことも大切な取り組みです。製品の状態が良ければ、一定の金額で買い取ってもらえる可能性もあるでしょう。また、リユースショップでは自分が必要とする製品を購入することもできます。リユースショップを活用すれば、販売と買取のどちらでも環境に配慮した取り組みにつながります。

まとめ

ものを長く大切に使うリユースは、資源の消費を抑え、廃棄物を減らすことに貢献できます。また、リサイクルに比べてエネルギー消費量も少なく、環境負荷を低減できるというメリットもあります。リユースの取り組みには、リユースショップの利用、耐久性の良い商品を長く使う、などが挙げられます。
また、リユースを意識した生活スタイルも大切です。不用品は劣化する前にリユースショップへ持ち込む、日頃から製品を丁寧に扱う、外箱や取扱い説明書を保管するなど、どれも気軽に始められるアクションなので少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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