サステナブルファッションで未来を変える!企業の取り組みを詳しく解説

ファッション産業は毎年新たなトレンドに合わせて製品を生産するため、多くの資源と水を消費し、二酸化炭素を排出する産業として認知されています。そのため、持続可能性(サステナビリティ)への取り組みを加速させることによる環境負荷の低減が求められているのです。この記事では、企業が取り組める内容をピックアップして紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
サステナブルファッションとは
まずはサステナブルファッションの定義や企業に取り組みが求められる背景を解説しましょう。
環境負荷を考慮したファッション
サステナブル(=持続可能な)という単語がついているように、衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのことを言います。
似たような言葉に、自分にとって必要で質の高いファッションを長く楽しむ「スローファッション」や、人と地球環境に配慮した「エシカルファッション」などがあります。いずれも環境への配慮も目的の一つではありますが、スローファッションは長く着られる価値観、サステナブルファッションは社会や環境を考慮した将来にわたる持続性、エシカルファッションは人権と環境にフォーカスしている点が主な違いです。
企業の取り組みが注目される背景
サステナブルファッションを実現するためには服の設計、生産、サービス展開の段階やその使用後までも考慮した工夫や機会の提供が必要です。消費者側も企業の取り組みに応えて、機会を活用するような行動を起こす必要もあります。
まずは企業が取り組みを行い、それに消費者が追随するような流れを作っていくことが大切でしょう。
企業のサステナブルファッションの取り組み
企業が実践できる具体的な取り組み内容を6つご紹介しましょう。それぞれについて解説していきます。
服を長く着られる工夫
一枚の服を大切に長く着られるようにすることで資源の消費が抑えられ、サステナブルファッションにつながります。服の生産・販売を行う企業が製品設計やサービスの段階で適切な取り組みを行うことで、服を長く着られる機会を消費者に提供できます。
例えば、高耐久性で高品質な製品設計、トレンドに左右されないデザインの採用、服の修理(リペア)やリメイクサービスを展開するなどの方法があります。
サステナブルな素材の活用
服にサステナブルな素材を活用することも重要な取り組みの一つです。サステナブルな素材とは、地球環境や労働者に配慮した素材のこと。例えば、オーガニックコットン、リサイクル原料などの環境負荷の少ない素材やフェアトレード認証を取得した素材などがあげられます。素材の性能や価格だけではなく、その生産背景をも考慮した素材の活用が求められています。
なお、帝人フロンティアの「エコペット」は、廃ペットボトルや繊維くず等を原料にマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの手法によって生産される再生ポリエステル繊維です。
環境負荷を抑える生産工程
サステナブルファッションにつながる取り組みは素材の選定だけにとどまりません。生産工程全体を俯瞰してみると、工夫すべきポイントが見えてくるはずです。省エネルギーや水の消費量を抑制する生産技術の採用や、再生可能エネルギーを利用するなどが取り組みの一例です。
環境設計については、下記の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
ファッションロスの抑制
生産された洋服を無駄にしないことも大切な取り組みです。まだ着られるのに捨てられてしまう服をファッションロスと呼び、最近注目されています。ファッションロスは、店舗が持つ在庫量の適正化や流行に左右されないデザインの採用などにより抑制できます。ファッションロスについては、下記の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
服の店頭回収
消費者が使い終わった服を、リユースやリサイクルできる機会を設けることも企業に求められる取り組みです。販売店の店頭で服の回収を行い、回収した服を分別してリユース・リサイクルしていく取り組みもあります。
消費者との接点を持てる企業が取り組みやすい内容です。
服のリサイクル
実は日本における服のリサイクル率は15%程度とまだまだ低い割合です。この割合を増やしていくことが必要ですが、服のリサイクルを個人単位で行うのはなかなか難しいもの。企業が一定の規模でリサイクル事業を展開していくことが求められています。
リサイクル事業は単一の企業だけで進められるものではありません。製造業、卸売業、小売業などが業種の垣根を越えて連携していくことが求められます。
服のリサイクルについては、下記の記事でわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
サステナブルファッションは、地球環境を守るための重要な取り組みの一つです。ファッション業界の企業が持続可能な取り組みを推進し、消費者もそれに応えることで、共に未来を変えていけるでしょう。サステナブルファッションにつながる取り組みを、まずは一つだけでも試してみてはいかがでしょうか。
サステナブルファッションの企業と個人の取り組み事例については、下記の記事でも紹介しています。是非参考にしてみてください。